前レース準決勝で同じ1組で決勝進出を争った1番グリッドのなかもとそら選手(gravy)と3番グリッドのくにたてわく選手。その時はわく選手が1位、そら選手が2位の順位で準決勝を通過。そしてこの決勝ラウンドで雌雄を決すべく、スタート前から両者の意気込みはかなりヒートアップしていた。
スタートシグナルと同時に頭一つ抜けでたのは、1番グリッドからスタートしたそら選手。その直後、3番グリッドから猛然とダッシュしてきたわく選手が、たちまちトップを奪ってさらに加速。40メートルの直線が終わるころには約3バイクの差を付けて、左、右とクランクする第1・第2コーナーへ飛び込んでいった。
ところがこの第1コーナーが、見た目以上に魔物だった。トップのわく選手がコーナー取りをミスしたわけではなかった。あえて言うならクランク第2コーナでインベタに付けず、少し膨らんだかなと思える程度のコース取りだった。ところが第1・第2のクランクコーナーをクリアし、第3コーナーとなる右90度Rにかかったときには、それまで3バイクの差があった2番手のそら選手がピタリとわく選手の背後に迫っていたのである。
クランクの第1・2コーナーに潜む魔物に一瞬魅入られたわく選手だったが、背後にそら選手が迫っていることに気づくと、わく選手はふたたび加速。第3コーナーから15メートルほどの直線で、わく選手はそら選手との差を2バイクに広げていた。
そして、このコースの勝負どころであるWヘアピンにかかる。右に、左にと幾分下り傾斜のヘアピンカーブを、2歳とは思えない巧みな重心移動を駆使しながらトップ2はゴールへと邁進して行った。
3番手はふせりひと選手だった。しかし2番手のそら選手とはWヘアピンの手前で10バイク以上もの大差をつけられ、事実上はわく選手、そら選手の一騎打ちとなっていた。
最後に約40メートルの直線で一度はわく選手に並びかけたそら選手だったが、結局はゴール手前で再加速したくにたてわく選手が逃げ切り2015年R.C.S最初の優勝者となった。2番手は最後まで果敢にトライしたなかもとそら選手が入った。そして相当の距離が開いて、3位にはふせりひと選手が入り、表彰台をゲットした。
ちなみにわく選手は愛知県から、そしてそら選手は京都府からの長距離遠征。わく選手は3回目、そら選手は4回目以上の出場経験で、文字どおりのライバル関係にある。これからもこの両者の争いが、R.C.Sの舞台で繰り広げられるに違いない。楽しみな2選手である。