各選手がスターティンググリッドに並んだとき、これは何かの間違いだと思った方も多かったにちがいない。そう、肝心の選手たちの顔が見えないのである。
昨年のRCS2010年の部のシリーズ王者・わだおうすけ選手、そして第2位ののざきひゅうが選手(TEAM RIVER)のビッグ2が抜けていたのだった。
本大会にエントリーしていなかったわけではない。予選、準決勝と、おうすけ選手もひゅうが選手も、しっかりとエントリーしていたのである。
だが、落とし穴はこの2選手を準決勝で待ち構えていたのだった。なんと、
「わだおうすけ 準決勝1組 第7位」
「のざきひゅうが 準決勝2組 第8位」
という、両選手にとって悪夢のようなレース結果で、彼らは決勝に進出できなかったのである。
それにしても、昨年の2010年クラス王者と2位がこぞって決勝落ちになるとは、まさに運命のイタズラとしか思えない2015年第1戦4歳決勝だった。そしてこれが、いかにこのクラスの選手の実力が拮抗しているかをあらわしていた。
スタートは、ほぼ横一列だった。40メートルの直線は短い様で、それなりのドラマを産む。とくに意外だったのは、準決勝1組を1位で上がってきたひさのあつと選手(THRAPPY)が大外の12番グリッドからのスタートで出遅れ、第1コーナーのクランク手前で最後尾についてしまったことである。
一方、その直線から第1、2コーナーのクランクを巧みに利用したのは第1グリッドを選んだのむらそうたろう選手(フリー)だった。そうたろう選手は昨年2010年の部シリーズの第3位の強豪。コース取りの巧みさには定評がある。クランクをスルリと抜け出したそうたろう選手は、第3コーナー右90度Rをトップでクリア。2番手のしみずかいせい選手(wildrunner)に2バイクの差をつけてWヘアピンに突入する。
4歳以上のコースはWヘアピンから左、右とS字を描きながら大きく?マークをなぞる右10Rとなり、そこから約25メートルの直線。さらに再び右、左のWヘアピンをクリアして直線40メートルでゴールとなる。
レースは最初のWヘアピンを抜けた順番で、1位がのむらそうたろう選手、2位にしみずかいせい選手が入った。
波乱があったのは3位争いで、それまで3番手を走っていたこやましょうた選手(LINO KEIKI)を、最終のヘアピンでわずかに膨らんだインを突いたうえだそういちろう選手(鹿ライダーズ)が並んだのである。勝負は最後の直線で、しょうた選手追い抜いたそういちろう選手が3位となり、見事な逆転で表彰台に昇った。