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第8戦TOKAIラウンド大会レポート


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日本を東と西に分けるとすれば、その中間にあたるのは天竜川、つまり浜松だ、と専門家たちは言う。
たとえば食の風習として、天竜川より東は関東炊きと言って、醤油の味が濃いめに仕立てられた料理が多い。一方、京料理を筆頭とする関西料理は、醤油味をおさえた淡口仕立てとなっている。浜名湖名産のうなぎも背開き、腹開きといったように、まるで正反対の捌き方になる。電気だって、関東の50ヘルツに対して関西は60ヘルツである。
こうした東西の違いの中間にあたるのが、天竜川であり、浜松だというのだ。

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そこでR.C.Sは、事実上のランバイク東西決戦の場として、その舞台を『浜名湖ガーデンパーク』に設定した。ここは2004年に開催された「浜名湖花博覧会」の会場として整備されたものだ。浜名湖畔に位置して、花博当時は「水の園」として親しまれ、虹の滝、水遊び広場、こども広場などが完備されていた。

そしてR.C.S第8戦TOKAIラウンドに、東西の雄たちが集結した。真の実力東西決戦として、真夏の太陽よりさらに熱い火花を散らしたのである!


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2歳クラスの決勝はショートコースで行なわれる。スタートの合図とともに、コースのほぼ中央から抜け出したのはあたらしはると選手ときがぜんた選手。この二人が直線20メートルの中ほどで小さく接触。ちょっと怯んだぜんた選手に、はると選手はさらに加速。この駆け引きが、第2コーナーを回ったところで、約2バイク半の差がついてしまった。
右40Rの外周カーブではすでに約10バイク差。ほぼ独走状態をつくると、
その後はゆうゆうと一人旅。

むしろレースは2番手、3番手争いが熾烈となっていた。外周カーブでは2番手にぜんた選手、1.5バイク差でないとうけいすけ選手が続いていたが、ヘアピンでインをついたけいすけ選手が一瞬、順位を入れ替える。
ところがその直後の加速がつかなかったけいすけ選手は、次の左60度のコーナー手前から大きくラインを膨らませて、ぜんた選手にふたたび先行される。

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レースは結局、2番手に15バイク以上の大差をつけて、あたらしはると選手が完全ブッチギリの優勝。2位にきがぜんた選手、そして惜しくも3位となったないとうけいすけ選手の順位となる。

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▲優勝 あたらし はると選手(KICKS)

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▲準優勝 きが ぜんた選手(LINO KEIKI)

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▲3位 ないとう けいすけ選手(フリー)

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3歳決勝レースも、照りつける太陽を考慮しショートコースで行なわれる。一斉にスタートした中から、スルスルと抜け出したのはなかやまりょういち選手。第1コーナーまでの間に、2番手のむらせはると選手に半バイクのリードをつける。
トップを走るりょういち選手の独走は許さないと、2番手のはると選手も第1コーナーから第2コーナーにかけてのダッシュ。40Rの外周コーナーの中間までは、ほぼ1バイクの差にとどめていた。

ところがここに、外周40Rの魔物が潜んでいた。あきらかにトップのりょういち選手と2番手のはると選手、3番手のおおきしん選手の加速が違っていたのだ。40R後半になるとトップと2番手との差が1バイクから2バイク、そして大屋根の手前の右90度角カーブではハッキリと3バイク分の差がついてしまっていた。どうやらここで、グリップ力の差が出てしまったのかもしれない。

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Wヘアピンでさらに加速したりょういち選手は、2番手のはると選手との差を4~5バイクとした後も、脚力を落とさなかった。さらにりょういち選手のフル加速は続き、複合の左60度のコーナーで6、7バイク以上の差をつけてゴール。2番手のむらせはると選手も、これまた3番手のおおきしん選手を5バイク近くリードして2位をゲット。3位はしん選手が入り、表彰台をゲットした。

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▲優勝 なかやま りょういち選手(京丹後市・ふるさと応援大使)

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▲準優勝 むらせ はると選手(HAPPY BiKE LOVERS)

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▲3位 おおき しん選手(GOLD☆DASH)

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今回のコース設定でいけば、スタートからゴールは基本右回りである。したがってスタートグリッドは右回りの内側、つまり12番グリッドが有利のように思われがちだ。かく言うレポーターも、そう感じていた。

ところがグリッドに並んでみてはじめて気づいたことだが、第1コーナーは左150度角であって、最初は左カーブなのである。ということは1番、2番グリッドがインをつけるのに有利な位置になるのだ。
そして、その有利な2番グリッドに、本ラウンドも本命とされるかわさきしんたろう選手が陣取っていた。
一方、予選から覇を競い、しんたろう選手が唯一先行を許してしまったまつやまかいじ選手は4番グリッドからのスタート。2番と4番ではあまり影響がないように思われるかもしれないが、実はグリッドがひとつ違うだけで、スタート時のダッシュ力に相当の差をつけなければならないのである。

そしてレースは、そのシナリオどおりに展開していった。スタート良く、第1コーナー左150度角のインをとったしんたろう選手は、そのままアウト・イン・アウトの定石どおり第2コーナーの右90度のインをも制し、ライバルのかいじ選手の行く手を阻む。
外周40Rの逆バンクを1バイク半のリードを保ちながら、勝負どころのWヘアピンにかかる。第1をクリアし、第2ヘアピンで見せたしんたろう選手のコーナーリングが美技だった。2角でパイロンを巻いたのである。名づけて『ダブル・ハンドリング』……かな?
最初の舵角は、ゆるめだった。その状態でCPを通過したとき、しんたろう選手は第2舵角をかなり深めに刻んだのだった。瞬時にバイクの方向が変わり、しんたろう選手はレンガ敷きの逆バンクのグリッドを確かめながら、すかさず強烈なキック。
場内実況アナウンスも慌てたように、次の左50度の鋭角複合コーナーを回るときにはすでに、1バイク半だった後続のかいじ選手との差を、一気に約7~8バイク分つけてしまったのである。

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そのままなだれ込むようにゴールインしたときには、しんたろう選手の独走レースとなっていた。2位には関西の雄・まつやまかいじ選手、そして3位におかむらりお選手が入る。

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▲優勝 かわさき しんたろう選手(Team Kamikaze Kids)

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▲準優勝 まつやま かいじ選手(煌ライダーズ)

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▲3位 おかむら りお選手(B→ts)

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このクラスも4歳と同じようなレース展開だった。2番グリッドから飛び出したのはもりやまゆうき選手。あとはダンゴ状態で第1コーナー左150度角から右90度コーナーへと、集団となって大きく右へ振れる。そのとき押し出されるように、集団の一番右側にいたいとうはやと選手がコース右側のパイロンに接触、転倒した。

さらにその直後、3番手の好位置を走っていたみやしたげんさく選手も右90度コーナーを抜けたところで前車と接触、逆バンクの外側に弾かれるように転倒する。このげんさく選手の後方を走っていた数台の選手たちは、からくも巻き添えを免れたものの、レースとしてはかなり出遅れてしまう。

一方、そんな後方のトラブルをよそに、外周右40Rを独走気味に走るのはゆうき選手。2番手は約7バイク分遅れて、にしうらしょうだい選手がつける。そのしょうだい選手を、ほぼ等間隔で3、4、5番手の選手たちが追う展開。

大屋根の手前の右90度角カーブでも、ゆうき選手の独走状態は続く。しかし2番手のしょうだい選手と3番手以降の選手たちが肉迫。とくにコーナーのアウトからインに切り込み、3番手争いに割り込んできたのはたかしまぎんたろう選手だった。
瞬時に記憶をたどれば、ぎんたろう選手は最初に転倒したはやと選手を避けながら外側を大きく回り、レース集団の最後尾にいたはずである。さらにけんさく選手の転倒にも辛うじて巻き添えから逃れ、最後方からの追撃だった。

Wヘアピンでの攻防は、トップにゆうき選手。2番手にしょうだい選手は変わらないものの、3番手争いが俄然、熾烈になる。とくに第2ヘアピンを抜けたところで、とうとうぎんたろう選手がふくやまさき選手に続いて4番手に浮上。

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そして最終コーナーを独走で抜けたもりやまゆうき選手が、そのまま1位でゴール。5歳クラスの優勝をもぎとった。2位は比較的安定した走りだったにしうらしょうだい選手。そして3位になったのは、ゴール前の最後の直線でさき選手をかわして大逆転を遂げたたかしまぎんたろう選手だった。

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▲優勝 もりやま ゆうき選手(Team Kamikaze Kids)

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▲準優勝 にしうら しょうだい選手(THRAPPY)

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▲3位 たかしま ぎんたろう(TEAM VIT)

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4歳、5歳のスタートは、インコースグリッドからのスタートが成功。第1コーナーを制した選手がそのままウィナーとなった。
ところがOPENは逆に、アウトグリッドからのスタートで第1、第2コーナーを制したしばたりく選手が、その後のレースの主導権を握った。

凄まじいばかりのスタートダッシュを決めたりく選手は、追走するしらがきゆうま選手、かぶらぎれん選手を1バイク半のリードを保ちながら外周40Rを駆け抜ける。

大屋根の手前の右90度角カーブを回ったときの順位は、トップがしばたりく選手、2番手がしらがきゆうま選手、3番手にかぶらぎれん選手が続き、さらに1バイクの差で4番手にあんどうりくと選手が肉迫していた。
第1ヘアピン、第2ヘアピンをクリアしたとき、アクシデントが起こった。レンガ敷逆バンクの魔物に、3番手を走っていたれん選手が足をすくわれたのだ。

目の前で突如、ライバルが転倒したものの、冷静にそれを見ていたりくと選手は瞬時に体を浮かせてバランスを保ちながらクリア。2番手のゆうま選手を猛ダッシュで追う。

りくと選手がゆうま選手を捉えたのは、左50度の鋭角複合コーナーだった。少しアウトに膨らんだゆうま選手のインをついたりくと選手は、コーナーのCP(クリッピング・ポイント)で並びかけた。そのまま両者はゴールまでもつれ込むかたちでゴール。審議の結果、僅差でりくと選手が速かった。

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優勝は後半からはほぼ独走状態で、文字通り一人旅だったしばたりく選手。2位が僅差で逆転勝ちしたあんどうりくと選手、3位がしらがきゆうま選手の順になった。

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▲優勝 しばた りく選手(SEALs)

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▲準優勝 あんどう りくと選手(ちーむ4649)

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▲3位 しらがき ゆうま選手(アッチェレランド)


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今回の第8戦TOKAIラウンドは、東西から集まった各選手たちのライディング・テクニック、レース運びなど、あまりの高水準に驚きを隠せなかった。場所も東西のちょうど中間点にあたる浜名湖であり、まさに東西がガップリと四つに組んで凌ぎを削るにふさわしい名サーキットと言えた。

小さな巨人たちによる究極のライディングテクニックが惜しげもなく披露され、近年稀に見るハイクラスの東西対決が展開されたのである。もしも東西決戦と言うならば、徳川と豊臣が覇を競った関ヶ原の戦いよりも、ひいき目も加算してR.C.S第8戦TOKAIラウンドの戦いを挙げたい。

とくに見どころは、4歳クラス決勝だった。第2ヘアピンカーブでかわさきしんたろう選手が見せた究極のコーナーリングは、観客の目も釘付けにしてしまうほど素晴らしい美技だった。

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……そして、
今回も完璧な優勝を果たしたしんたろう選手だが、おどろくなかれR.C.Sの初戦HINOHARAラウンドからはじまって、不参加だった第2戦のAKIRUNOラウドをのぞいて1、3、4、5、6、7、そして今回の第8戦TOKAIラウンドまでの全7戦を、すべて完全優勝してしまったのである。
次の第9戦OSAKAラウンドは?
「出ません」
残念ながら関西遠征は難しいようだ。
と、言うことは、しんたろう選手の誕生日は9月だから、今回の第8戦TOKAIラウンドが彼にとって4歳クラスの最終戦ということになる。
そうなると、次にしんたろう選手が出場する可能性としては、第10戦YAMANASHIラウンドの富士急ハイランドでの5歳クラスということだ。

4歳クラスでの圧倒的な強さを誇ったしんたろう選手が、いよいよ5歳クラスにステップアップしてくる。さあ、5歳クラスの各選手たちも、これは大変だ。現役にしてすでにレジェンドをマークする「絶対王者」が、進撃してくるのだ。滑って、転んで、泣いている場合じゃないぞ!