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2013/5/12(日)RCS第5戦・YOKOHAMAラウンド 大会レポート


かつて日本の近代文化は、この横浜港からはじまった。ファッション、料理、音楽、そしてスポーツなどなど、これらは「粋」、「オシャレ」という御旗をかかげて、たちまちのうちに日本列島を席巻していった。そして今また、足で地面を蹴って進むアメリカ生まれのランバイクが、新たな近代文化として名乗りを上げようとしている。

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2013年5月12日、横浜港は快晴でRCS第5戦の『ランバイクレース』を、新しいファッションスポーツとして受け入れようとしていた。第2戦から悩まされ続けていた雨や風も、どうやら無難にすみそうである。

今回のコースは、まさに極限の体力とテクニックが試される、超ヘビーな設定となった。

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スタートからインコースの有利を打ち消すように絞られた約40mの直線を駆け抜けると、左に90°角のカーブ。ここから筆記文字のWを書くようにヘアピン、鋭角カーブが3つ続く。

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そのあとは、両側に立ち木が連なる緩やかな右カーブを文字通り駆け抜けるだけ。レンガ敷きの逆バンクになっていて、この傾斜角をいかに味方につけるかも勝負の鍵を握りそう。
2~3歳予選まではレンガコースを25mほどでゴール。3歳準決勝からOPENクラスまでのゴールは、その先50mほどのところに設定された。

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勝負のポイントはやはりW字の複合カーブとなる。ここでもしかすると、第4戦で見せた「タックイン」のテクニックが観られるかもしれないと、報道関係者はこの位置に集中する。

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もうひとつ勝負のポイントとして、レンガ敷き緩い右カーブにおける逆バンクも見逃せない。

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競輪ではないが、バンクの上段から一気に下降スロープを使って滑り落ちるテクニックも、ここでは充分に可能となる。

そんな、全長約200mのさまざまな要素を含みつつ、横浜港本牧の突堤は選手たちに、涼し気な潮風をエールとして送ってくるのだった。

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この日は2歳クラスから、接戦の連続だった。とくにW字の複合カーブを抜けてからの緩い右カーブで、波乱が起こる。

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スタートでたかだなつ選手、やまがみゆうご選手らに先行を許したいしだこう選手だったが、第一コーナー手前でインをとり、一気に3位に上がる。複合最終の3コーナーでは、なつ選手に続いて2位につけていた。
このときトップを走っていたなつ選手が大きくアウトに膨らむのを、すかさずインから抜き去ろうとしたが、ここでは外側からのブロックにあって断念。勝負は最終のレンガ敷きに持ち込まれた。そこでのトップ2のデッドヒートは圧巻だった。

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最後は強いキック力を見せたいしだこう選手が、先行していたなつ選手をゴール手前で抜き、見事な逆転で優勝を果たした。2位はたかだなつ選手、そして3位に入ったのは、これまた逆転でゴールしたやまがみゆうご選手だった。

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▲優勝 #8 いしだ こう選手(チーム グラスライダー)

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▲準優勝 #35 たかだ なつ選手(世田谷ライダーズ)

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▲3位 #70 やまがみ ゆうご選手(アッチェレランド)

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このクラスも、最終のレンガ敷きでのバトルが展開された。
レースはスタートから勢い良く飛び出したかとうこたろう選手が、その後もW字の複合コーナーをクリアしていく。
むしろ、2位争いが熾烈だった。第1コーナーの90°角を2位で回ったのはすがはらたいが選手。ところが次の鋭角コーナーへの入りで大きく膨らんでしまい、そのインをついたしばみやいつき選手に抜かれてしまう。

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複合最終コーナーを回ったとき、1位にこたろう選手、2番手にいつき選手、そして3番目がたいが選手の順になっていた。
と、ここで勝負の流れは大方決まったものと、観戦していた多くの人が思ったと思う。ところが、本当のバトルはそこからはじまったのである。
レンガ敷きのコースに入ったとき、1位と2位の差はバイク3台分ほど離れていたように思う。それがゴールに近づくにつれてその差がみるみる縮まり、最終的にはバイク半分ほどに迫っていたのである。

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優勝は接戦を逃げ切ったかとうこたろう選手、惜しくも半歩とどかなかったしばみやいつき選手が第2位、そしてすがはらたいが選手が第3位でゴールした。
最後の最後までレースを諦めなかったいつき選手の走りに、ゴール前で観戦していた多くの人たちは大きな声援と惜しみない拍手を送っていた。

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▲優勝 #35 かとう こたろう選手(フリー)

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▲準優勝 #68 しばみや いつき選手(相模原Team Rust-eze)

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▲3位 #75 すがはら たいが選手(ニコライダー)

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圧倒的な強さを誇るかわさきしんたろう選手を、いったい誰が最初にやぶるのか、それがこのクラスの最大の焦点だった。しんたろう選手の圧倒的な強さはRCSの大会においても第2戦TAMAラウンドに不参加だった以外、1、3、4戦と、いずれも完全優勝を果たしている。
さらに言えば、その対抗馬として名を連ねるふるばやししょうま選手、こさかまさと選手はこのレースを最後に5歳へとクラスアップしてしまう。
先月はいちろ選手が一足早くクラスアップしているため、事実上、しんたろう選手の独壇場となってしまう可能性がでてきた。
その意味でも、しょうま選手、まさと選手の頑張りに期待したいところである。

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スタート直後から飛び出したのは、やはりしんたろう選手だった。ほぼ横並びで食らいついていったのが、しょうま選手。さらにその外側からまさと選手も並びかけようとする。
だが、そこからのしんたろう選手が速かった。第1コーナーを回るころにはしょうま選手とバイク2台分、さらにまさと選手にはバイク4台分のリード。

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Wの複合コーナーでもそのリードは変わらず、むしろここでは3番手のまさと選手がしょうま選手に肉薄。最終コーナーを回るころにはほとんど2位と3位が横並びの大接戦。そしてその後を、たかひらりいち選手が4番手で追う。

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レンガ敷きからのしんたろう選手は、また一段と加速。それを追うしょうま選手、まさと選手も懸命にキックダッシュするものの、差は逆に開くばかり。また2、3番手争いもまさと選手の頑張りも届かず、最終コーナーを回った時の順序でゴールした。
結局、このレースもまた、しんたろう選手の速さが光った結果で終わった。優勝はかわさきしんたろう選手、2位がふるばやししょうま選手、3位にこさかまさと選手となった。

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ところで、先にも触れたように、2位のふるばやししょうま選手、3位のこさかまさと選手ともに、次戦の全日本選手権では5歳にクラスアップしてしまう。かわさきしんたろう選手は9月が誕生日だから、引き続き4歳クラスに出場していく。
「打倒!しんたとう選手」の思いを、次は誰が継いでいくのか!

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▲優勝 #26 かわさき しんたろう選手(Team Kamikaze Kids)

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▲準優勝 #98 ふるばやし しょうま選手(フリー)

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▲3位 #37 こさか まさと選手(LINO KEIKI)

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最終的な順位決定が写真判定という、まさにプロのスポーツ判定のような際どいレースだった。
ゴール前のデッドヒートはたかしまぎんたろう選手ともりやまゆうき選手だった。

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スタートはほぼ互角。複合コーナーを制したのはゆうき選手だった。そして最終コーナーを抜けた時点で、トップはゆうき選手、2番手にぎんたろう選手、3番手はにしうらしょうだい選手、4番手にもとはしちから選手の順。

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ところが緩い右カーブのレンガ敷きコースで、ぎんたろう選手のギアが一段加速する。蹴り上げる力にターボがかかる。そしてゴール前、車輪4分の1の差でゆうき選手をかわしたのだった。

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すぐに、着順が出せなかった。それほど微妙な差だったのである。判定はスタッフのカメラによって、決定された。
優勝はたかしまぎんたろう選手、2位がもりやまゆうき選手、3位に入ったのはにしうらしょうだい選手だった。

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▲優勝 #33 たかしま ぎんたろう選手(TEAM VIT)

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▲準優勝 #57 もりやま ゆうき選手(Team Kamikaze Kids)

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▲3位 #41 にしうら しょうだい選手(THRAPPY)

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覚えているだろうか、前回第4戦TAMAラウンドの5歳クラスで、もっとも高い表彰台に昇ったしげむらしせ選手の、あの勝利宣言を!
「次のYOKOHAMAラウンドも頑張ります。その次、富士スピードウェイも、優勝します」
さらに、
『このときしせ選手はすでに、OPENにクラスアップしたラウンドでの勝利を宣言していたのだった』
と書いたレポートもご記憶のことと思う。

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その有言実行を果たしたレースとなる。

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レースを先行したのはとべはやと選手だった。直線から第一コーナーを回り、はやと選手は培ってきたライディングテクニックを存分に駆使し、ニューフェイスの追撃を許さないかのように突き進む。
複合W字の最終コーナーを回っても、はやと選手は2番手のしせ選手との差をほぼ3台分リードしていた。そしてレンガ敷き。ドラマはここで起こった。

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緩い右カーブのレンガ敷きコースは、カーブとは逆の傾斜、つまり逆バンクとなっている。しせ選手はその傾斜スロープを巧みに利用したのだった。
レンガ敷きコースに入った直後ははやと選手の真後ろを走ってしたしせ選手だったが、途中からサーフィンの波乗りライディングのように傾斜を滑り降りていったのである。
これで加速をつけたしせ選手はゴール手前、ついにはやと選手をとらえて逆転。優勝を引き寄せたのだった。

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しせ選手ばかりではない。3位に入ったあんどうりくと選手も、4月にOPENクラスにアップしたばかりである。
『幼児から少年・少女へと変身したOPENクラスの選手たちが、真向からぶつかり合うレースの醍醐味』が、本格的に始動した瞬間だった。

今後さらに、5歳クラスで覇を競っていたライバルたちが、続々とクラスアップしてくる。そうした中で、やはりしせ選手のもう一つの言葉がきにかかる。
「その次、富士スピードウェイも、優勝します」。

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▲優勝 #8 しげむら しせ選手(Ichi2Thunders)

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▲準優勝 #19 とべ はやと選手(Clover☆s)

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▲3位 #19 あんどうりくと選手(ちーむ4649)

大会が終わった翌日、両角昭男カメラマンから貴重な情報が届いた。5歳クラスの順位判定写真と全体のライディングテクニックのショットである(『両角カメラマン・リポート』参照)。


RCSでの4歳クラスまでと、5歳クラスの大きな差は、ブレーキングコントロールが出来る事だと思います。
長い直線から複雑なコーナへ進むコースアレンジが多いRCSでは、コーナーへの進入角度が後の順位に大きな影響を与えています。
5歳クラスの上位者は、複雑なコーナーが多い区間は、足を地面と平行に保ちつつ走行して、スピードを無駄に殺す事無くコーナーへの進入しています。解りやすい写真を数点送ります。

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55番(5歳クラス)の選手は内足を上手く使ってコーナリング。

8番(オープン)の選手は1コーナーから2コーナーの間を、
足でブレーキングしながら走行して、自分の走行ラインをキープ。していました。

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5歳の決勝は全員がこの走行で、コーナーを抜けて行きました。
両角 昭男(もろずみ あきお)


「タックイン」こそ確認できなかったが、各選手たちのライディングテクニックの進化には目を見張るものがある。テクニックに関して言えば、ランバイクもここまでくると、もはや子供の遊びと言うより立派な競技の域に至っていると思われる。

ランバイクの歴史自体はまだ新しいものだが、このままキャリアを重ねてさらなる進化を遂げていったら、いったいどのようなテクニックが登場してくるやら……。この調子でさらに磨きがかかれば、いずれ日本から世界的なGPライダーが誕生しても不思議ではない。それが楽しみでもあり、また一方で、あらぬ方向へ暴走して初心を見失わないか、と心配でもある。

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その一方で、そんな老婆心も吹き飛ぶような、素晴らしい光景が生まれていた。戦い終わって陽が暮れる中、スタッフたちがコース設定の道具類を片付けているときである。
レンガ敷きコースに寄せられてあったパイロンやバーを回収しようとトラックで乗り付けていた。その時、6、7人の選手たちが、今日のレースのおさらいをするように、まだコース内を走っていた。
「おじちゃん、なんでトラックでここに入ってくるの」
「おじちゃんたちの邪魔をしてはいけませんよ」
というお父さんやお母さんの声が聞こえる。
「おじちゃんたちは、みんながレースして楽しんだあとの、お片付けをしているんだよ」
「あっ、そうか。遊んだあとは、お片付けしなければいけないんだよね」
言ってるそばから、ひとりの男の子が傍らにあったパイロンを持つと、スタッフに渡してきたのである。それを観ていた他の子たちも、パイロンやゴム製のウェートを一緒に運びはじめたのだった。
呆気にとられているスタッフたちを尻目に、今日のレースで大活躍をしたであろう小さな選手たちは次々と道具を運んでくる。
「邪魔ではありませんか?」
と、目で訊いてくるお父さん、お母さんに対し、
「大丈夫、これも大会の大切なイベントなのかもしれませんよ」
と、首肯き返すスタッフだった。

「おじちゃん、また逢おうね」
「来月もレースにくるのかな」
「うん、来るよ。だからまた、お手伝いするね」
「よし、頼んだよ」
「約束、ハイタッチ」

原点を原点として、そこから踏み外さない競技指向が、真の発展につながっていくのだろう。あらぬ方向に暴走せず、ちゃんと原点に立ち返れる素晴らしい贈り物を、小さな数人の巨人たちからいただいたスタッフである。手づくりの家庭的な、友達感覚で参加できるRCSだからこそ見ることができた光景だった。

ふと、スタッフの一人が、『RCS』の旗に付着していた泥を拭っている残影が目にとまった。